鹿児島県の中程にある、
いちき串木野市に来ています。
ここに歴史的に重要な場所があります。
その場所とは、
JR串木野駅から車で15分程の所にある、
羽島(はじま)という小さな港町です。
薩摩藩英国留学生記念館の場所
この小さな港町が、
なぜ歴史的に重要な場所かと言いますと、
秘密裏に出国した一団がいたからです。
それが総勢19名の薩摩藩英国留学生達です。
薩摩藩が選抜した薩摩藩士達が、
ここ羽島から英国に向けて旅たちました。
かれらは英国では、
薩摩スチューデントと呼ばれました。
1865年の出国当時は海外渡航は禁止です。
禁制を破ってまで、薩摩藩は、
英国に留学生を派遣したのです。
薩英戦争で目がさめた薩摩藩。
実は、1863年に薩摩藩と英国は、
生麦事件を契機に薩英戦争を行います。
この戦争で西洋との技術の差を痛感します。
その後、英国と和解をして、
戦争相手国から技術を学ばせるために、
若き薩摩藩士を派遣するのです。
出港までの2か月を羽島で過ごす。
彼らは鹿児島城下から羽島浦までは、
甑島への視察と藩内でもいつわり、
名前まで変えてやってきます。
羽島を選んだのは、
外洋の船が寄ってくるには、
目立たない漁村だったからと云われます。
トーマス・グラバーが手配した船が、
到着するまでの2か月を、
2軒の家に下宿して待っていたのです。
英国留学生記念館がオープン。
そして、2014年の7月に、
英国留学生の歴史資料館として、
薩摩藩英国留学生記念館が建てられました。
記念館では、
彼らの羽島での様子や、
英国への旅路、その後の活躍が、
紹介されています。
英国を意識したレンガ造りと、
海が見える先端の部分は、
船をイメージした外観の建物です。
彼らの写真や活躍を展示。
1階にある展示室では、
留学に至った経緯や、
羽島で過ごした事を紹介しています。
2階の展示室には、
英国への船旅の様子や、
留学生活と帰国後の活躍が展示されます。
日本に帰国した彼らは、
薩摩藩のみならず日本の様々な分野の、
リーダーとして大きな貢献をします。
館内には様々なコーナーも。
薩摩藩英国留学生記念館には、
展示室の他に様々なコーナーがあります。
西洋の書斎をイメージした、
ライブラリーもあります。
本の閲覧や交流の場になっています。
またショップでは、
地元羽島にまつわるものも、
紹介されて、販売もしています。
カフェスペースではランチも。
1階にはオシャレなカフェもありました。
クイーンズカフェです。
名前は女王陛下の英国から取ったのかな。
羽島の素材にこだわった料理や、
スイーツやカフェメニューがあります。
パスタがあるのでランチにも良いかも。
展望デッキから羽島の海を眺める。
2階の展示室から展望デッキに出られます。
ここは、薩摩スチューデント達が、
乗った気帆船をイメージしています。
木製マストや板張りの甲板の床が、
まるで船に乗っているようです。
その展望デッキから、
羽島の海を眺めながら、
薩摩スチューデント達に思いをはせました。
ここ羽島の町に来たら、
薩摩藩英国留学生記念館は、
必ず寄ってみたいスポットですね。
薩摩藩英国留学生記念館
鹿児島県いちき串木野市羽島4930
電話 0996-35-1865
開館時間 10:00~17:00
休館日 火曜日
拝観料 大人300円 小人200円
駐車場 あり(無料シャトルバス有)
アクセス JR串木野駅から車で15分
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